セガール幹事長代理

関ヶ原のセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

関ヶ原(2017年製作の映画)
2.0
人名、地理の専門用語に加え、方言や謎の朝鮮語を容赦なくぶちこんできて、おまけに高校生ラップ選手権より早口ときたもんだから知識ゼロで挑むと拷問の様な150分を味わうこととなる。

関ヶ原合戦とは豊臣秀吉死後、豊臣政権を牛耳ろうとした天ぷら野郎・徳川家康軍(東軍)と、秀吉の跡継ぎである秀頼が元服するまで豊臣を守ろうとする、上司にしたくない戦国武将の代名詞・石田三成軍(西軍)による戦いである。

原作含め、この時代を象徴する人間を題材にした歴史小説をそれなりの数読んだ上で挑んだが台詞の半分ぐらいしか聞き取れなかった。
かといって俺の様なミーハーを排除する骨太で力強い時代劇だったとは到底言えず、主要人物の描き分けが
豊臣秀吉=老害
徳川家康=饒舌なおっさん
石田三成=コミュ障
島清興=爆発
大谷刑部=ミイラ
福島正則=ヤンキー
毛利輝元=いるだけ
上杉景勝=出てこない
真田昌幸=出てこない
伊達政宗=出てこない

という悲しくなるほど浅いものであった。
ちなみに当初から懸念していた忍者役の有村の滑舌が、皮肉なことに役者の中で一番良かったんですが、忍者の癖にすぐ捕まるし、これといった仕事をするわけでもないのでアウェー感が半端なかった。
仲良くない友達の結婚式に呼ばれて知り合いゼロみたいな感じでめっちゃ浮いてた。
大人しく花でも育ててなさい。

文句を書き出すとキリがないし、鑑賞直後なんて愛着のある武将の扱いが酷すぎて、映画制作に関わった全ての人間はあの世で家康と三成に斬り捨てられればいいとすら思ったが、よく考えてみると俺の好きな戦国武将ランキング第4位で関ヶ原に従軍していた筈の藤堂高虎を登場させず、彼の武将像を汚さなかったので石抱責ぐらいで勘弁してあげてほしい。
(好きな戦国坊主ランキング第5位の安国寺恵瓊の扱いは酷かった)

ちなみに東出演じる西軍・小早川秀秋(※)っていう武将が東軍に寝返ることで勝敗が決まるんですが、東出のイメージアップの為か、正義と恩に揺れ動く繊細な好青年に描かれててウケました。
イケメン特だなと思いました。
(※)史実では12歳にしてアル中、関ヶ原後は酒による幻覚と、自分が裏切って殺した武将の霊に悩まされ発狂、没。