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ヴァニタスのmのネタバレレビュー・内容・結末

ヴァニタス(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

上手い感想は書けないのだけど、ストーリーだけではなく全てが好きな映画だった。映像などはお洒落だけど私にはそれだけじゃないこの話の痛みや悔しさや優しさ、そして空虚さだけじゃない情熱を感じた。監督の初作品らしい。映画の学校出身でなくともこんな素敵な映画ができるんだ。とても丁寧に作られていた。

柴原、伊藤、橘、永井、皆本当に大好き。渋川さんのちょっと怖くて怪しい男、川瀬さんの調子良くて最低だけどなんか憎めないおじさん、登場人物全員が本当に良かった。

言わなくてもそれぞれに色々な問題を抱えていて、詳しく聞くわけでもない。私はそういうのが心地良いなと思うのだけど、この4人がもっと話をしていたら何か変わったのだろうか。

黄色いトレーナーがちょっと薄汚れていること、幸せになりたいと言う台詞、きっと幸せな人には分からない。ふと居なくなってしまいたいとか、死んでしまおうと思う気持ちがとても分かる。バイト先に戻らず缶コーヒーを階段に置いたときにあ、この後死んじゃうんだなきっと、と思った。佐々木、イン、マイマインを観なければ知ることのなかった監督さんだしヴァニタスも観ることのないままだったと思う。観ることができて本当に良かった。大好きで大切な映画の1本になった。

河童のところ大好き😊

追記
佐々木、イン、マイマインもそうだけど内山監督の映画は観て数日後まで引きずる。
佐々木、では佐々木のあの汚い部屋、ヴァニタスではあの薄汚れた黄色いトレーナー、この2つに私はどうしようもなく胸をえぐられ、やるせなさを感じて悲しくなる。

自分の苦労や抱えている辛さ、それを決して自分から出さず、感じさせず、悲しみに浸るわけでも無くて、どうにかやり過ごす感じ。そういう人の孤独を知ってる人どれくらいいるのだろうか。
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