みらい

ドリームのみらいのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.0
【スッキリ見られるノンフィクション】
『15時17分、パリ行き』を思い出すような心が晴れるノンフィクション作品。
アポロ11号はポルノグラフィティで知り、オバマ大統領をナチュラルに観れるくらい、宇宙初飛行も肌の色問題も、平成生まれ世紀末育ちの私にとっては歴史の中の話。そういう意味でも映画を通して史実を身近に触れることが出来るのは本当に貴重なことだと改めて感じる。『DETROIT』『それでも夜はあける』とセットにして覚えておきたい作品。



恥ずかしい話だが、1960年代のアメリカの黒人や女性を取り巻く社会がこんなに酷かったと知らなかった。目まぐるしく変わっていく技術と対比して、根強く残る差別文化がとても印象に残った。


社会派なストーリーでも重過ぎず鑑賞することが出来たのは、少し短めなスパンで1シーン1シーンが作られていて3人の仕事とプライベートをテンポよく観れたのが大きい。
あとは、ちょっと重めなシーン(トイレまで片道800m歩かなきゃいけないなど)もポップに表現されていて、作品が差別問題ではなく宇宙飛行ミッションへのフォーカスが大きかったことも観やすくて良かった。



ここまで観やすさに拘るのは、名作と言われる作品は
①ストーリー展開のテンポが良い
②主テーマ(宇宙飛行)と副テーマ(差別問題)の比重が絶妙
③自分の価値観にいくらか影響を与えるメッセージがある
が満たされてるものが多いなぁと最近思ったからです。
特に③はどの映画にもある確率が高いけど、①②は邦画洋画問わずどちらも満たすものは多くない気がする。


特に宇宙飛行の話と差別問題の比重が絶妙たったことが、名作となった決め手だと感じました。
素敵な作品でした。
みらい

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