誤宗黒鳥

密偵の誤宗黒鳥のレビュー・感想・評価

密偵(2016年製作の映画)
2.7
韓国映画において日本統治時代というのは歴史ものだけでなく様々なエンタメ的な題材としても活用されてきている印象。日本にとっての戦国時代や江戸時代、アメリカにとっての「西部」がそうであるように、暴力がむき出しに表れる時代というのはいい意味でも悪い意味でも後世からすると劇的な魅力も持つのだろう。

ただ、密偵というか二重スパイを題材にしてる割に主人公がその場のノリで義烈団に協力した感じが強く、他の人たちも言ってるように朝鮮人であり総統府側の人間という立場の抱える苦悩をもっと出してもよかったのではと思う。主人公には妻子がいるもののほんの少し、マジでわずか時間だけ、申し訳程度に登場して全く意味をなさないのも勿体ない。そのあたりを突き詰められるともっと普遍性を持った物語になったかもしれないが、あの結末だと「日帝に一矢報いてやったぜ!この後独立するぜ!」みたいな一過性の感じしかしないのが残念。
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