三鷹

遠い夜明けの三鷹のネタバレレビュー・内容・結末

遠い夜明け(1987年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

70年代のアパルトヘイト政策下の南アフリカ共和国で黒人運動家ビコと交流を持った地元新聞記者ウッズの著書をもとに製作された実話。
この手のスケールの大きい作品はRアッテンボローは本当に上手い。というか私好みだ。実話なので物語の解説は要らない。アパルトヘイトがどういうものだったのか、当時の世界的なニュースや世界的なミュージシャンの一部が問題視していたのでなんとなく知っていたつもりではあったが、実際こうやって話として見せつけられると憤りしかない。
真実を全世界に伝えるべく国外脱出を目論むウッズと仲間たち。それによって身の危険に迫られるウッズの家族たちの逃亡。後半は手に汗握る脱出劇となり思わず画面に向かって祈ってしまった。
人を人と思わないというか「駆除すべきもの」のごとく有色人種を扱う、その行為の元凶は「思想」だ。誰も個人的に憎いわけでもない。しかし「こうなのだからこうすべきだ」という思考の柵から人種差別主義者たちは誰一人出ることができない。傍から見ていてこんなにも愚かな行為はないのだが、果たして自分は何かにおいて人を「差別」していないのかと言われれば答えはNOである。
人間=自分の愚かな一面をまざまざと見せつけられる映画だ。
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