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トンネル 闇に鎖(とざ)された男のtheocatsのレビュー・感想・評価

1.2
工事業者の糾弾がないなど不完全燃焼

主役の飢餓状態における脅威的というかほぼ不可能な体力維持には目をつぶるとして、引っ掛かったのがトンネル工事業者に対する強い糾弾場面がなかったこと。
手抜き工事やいい加減な設計図などの描写はあることはあるがあまりにもサラッと、それがさも当然のごとく流してしまうものだから違和感ありあり。
それらの事実が発覚したらマスコミだって激しい糾弾的報道をするのが自然だろう。

そのくせ、一人の救出のために経済が滞る。救出作業中止を過半数以上の国民が望んでいるなど、一体何を元に集計したか分からないデータを突き付けて奥さんに作業中止を承諾させ、さらにラジオ放送で奥さんの声明を流させるなど一体政府と工事業者はどこに行った!!とこちらも憤然としてしまう。
※政府命令で救助中止、他のトンネル工事再開のほうがまだましだったろう。

救助隊隊長の判断でどうにか救出はできたものの、ポーズの為に政府代表者が一緒に救急ヘリに乗り込もうとしたのを阻止した場面も不満表明としては弱く、こちらの溜飲が下がるという程ではない。

まぁ本作は生死不明一人の救助より経済性優先、ポーズだけ取り繕う無能政府、手抜き杜撰工事の業者に甘いマスコミ、国民の薄情性を極端に戯画化した映画ということなのだろう。
※あの状況で韓国国民の過半数以上が作業中止を望むとはとても思えない。杜撰工事が原因のトンネル崩落であり、その原因究明・責任問題を解決しない状態での新たなトンネル工事などまともな思考の持ち主なら許せるはずがないからだ。

助かった犬も飼い主女子の母親と会う場面、または主役の犬を欲しがっていた娘に合わせるなどの場面があってよかったかもしれない。

1.5倍から1.7倍速にアップし普通の感じだったので、普通速だとかなり間延びしたに違いない。

1.2の一つ星
012011
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