Foufou

アシュラのFoufouのレビュー・感想・評価

アシュラ(2016年製作の映画)
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本作の監督の新作が本国で11月に封切りになるんですね。じつに7年ぶり。監督に関する日本語情報がネット上にあまりにも乏しくて、なんでだろうと思います。そのくらい、本作は力が入っている。

それにしても男臭い映画。まぁ、『新しき世界』にしても『甘い人生』にしても、マチズモとは言わないまでも、マスキュリン臭は相当に強い。くらくらします。これ、思えば日本映画が60年70年とヤクザ映画を撮りまくりましたけど、それに相通ずるなにか心性のようなものがあるんでしょうかね。本作は冒頭、高層ビル群が背景に霞み、その手前にスラムのような街並みが空撮される。土木屋と政治家を橋渡しをする形でヤクザが跋扈するという構図。でも高倉健は正義と人情を代弁していたような……。

ところがこの映画、もう、天に顔向けできないような悪い奴しか出てきません。それも、みんな、揃いも揃って小人なんだんよなぁ……。これがある意味韓国の暴力映画をエンタメたらしめているともいえる。ファン・ジョンミン・ファンになった今となっては、彼の快演が楽しくてたまらない。

にしても、本作で見るべきは、『暗数殺人』のチュ・ジフン演じるソンモの悪への染まりっぷりですね。見事な演出にして芝居だと思います。
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