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『永遠のユダヤ人』に投稿された感想・評価

Shoty

Shotyの感想・評価

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ナチスのプロパガンダ
ドキュメンタリー調にユダヤ人はどうだこうだ言う内容 最近アメリカのよくできたのを観ちゃってたのもあってあんまりこなかった
プロパガンダとしてJud Süßの方がよくできているかな
ナチスによる反ユダヤ主義のプロパガンダ映画。
ドイツでは当然視聴を禁止されているが、アメリカではドイツ語である本作に字幕を付けてポスティング活動をしているグループがあるらしい。私としてはすべての視聴者が本作を下品だと感じてくれることを心から願う。

本作はポーランドのゲットー(ユダヤ人居住地区)からの当時としては最新映像を元にしたドキュメンタリーとなっているが、内容はたくさんの嘘で塗り固められている。
聖書やトーラーの記述と言いながら悪意のある抜き取り方をしており、内容や解説は歪曲されている。
ユダヤ人が東洋人と黒人の間の子というのも当然嘘である。ユダヤ人が世界に散らされた一連の流れの説明も歴史的な事実と違っている。
中世ではユダヤ人がキリスト教世界の社会機構から締め出されていた事からキリスト教徒には禁じられている金融業、高利貸業などに進出せざるをえなかったという事実を否定し、お金大好きなユダヤ人の人間性だというが、これも当然嘘だ。
犯罪者の中でユダヤ人の比率が高いなど細かな数字を上げているが、すべてデタラメである。

ネズミがペストの原因の一つであり、ネズミが世界にどのように移動して広がり、ペストを拡大させたかの説明は事実に近いが、ネズミがハンセン病のきっかけと言っているのは間違えている。なによりユダヤ人をネズミに例えるとは何事か。

不可知論者であったチャップリンや無神論者であったアインシュタインがユダヤ人だと言っていたりする。特にアインシュタインを似非科学者などというのには怒りを通り越して笑いも出てくる。銀行の頭取や俳優たち、政治家が出てくるが、ユダヤ人ではなかった人も含まれている。

映画「ロスチャイルド」も出てくる。しかし映画の一部を悪意を持って抜き取っており、ユダヤ人が税金逃れのために嘘をつく人たちだと思わせている。実際にはユダヤ人差別として高い税金を納めさせられていたので、それを誤魔化すというシーンなのだが。
映画といえば「M」も出てくる。ピーター・ローレの有名なシーンを抜粋しながら、ユダヤ人が小児性愛者であり殺人欲求があるから、それが表に出てきているなどと語る。おいおい、それは役柄だからさ…というツッコミ待ちなのか…?ユダヤ人であったピーター・ローレは本作の撮影の後に迫害を恐れて国外に移動した。一方の「M」の監督であるフリッツ・ラングもユダヤ人であったが、「メトロポリス」がヒトラーやゲッペルスの思い描く帝国そのものであったらしく、かなり気に入られて名誉アーリア人とされた。ラングが「自分にはユダヤ人の血が流れている」というと、ゲッペルスは笑顔で「アーリア人かどうかは我々が決める」と言ったらしい。その日の夜にラングは家族とともにパリへ移動した。
何より映画の一部を製作者の許可なくプロパガンダに利用するとは、なんともひどい話である。

映像の継ぎ接ぎもひどい。ユダヤ人を撮影するときは奇形の人物の笑顔や、ユダヤ人の服装の人がおどけたとき表情の笑顔を撮影していたりする。
また宗教儀式の一部を抜き取って奇妙な儀式をしているように見せかけている。祈りの際に身体を前後させる動きだけを抜き取っているので、ものすごく変な集団に見える。またユダヤ人の宗教儀式の音声は敢えて訳さないことで恐ろしい呪文を唱えているように見せかけつつ、「宗教ではなくユダヤ人至上主義の思想を植え付けている」と説明して事実を歪曲している。

矛盾もある。金を持っているのにボロボロの家に住んでいたりする。さすがにこの矛盾を隠すことができなかったようで本作でも触れてはいたが、説明もなくスルーしている。

最後の牛の屠殺シーンは酷いが、当時の牛の捌き方が分かって良いかもしれない。女性や子供向けのバージョンでは、このシーンはカットしていたらしい。また、屠殺シーンの前に「神経質な人は見ないでください」の説明書きがあったのは意外に良心的だなぁと感じた。ただし生きたまま屠殺するユダヤ人が残酷であり、麻酔をかけて屠殺するナチスは素晴らしいという結論は間違えている。どちらにせよ屠殺するのだから。
関係ないがビーガンが肉を食べる事に対して批判するときと同じ手法だなと感じた。

ここに上げたのは本作の嘘のほんの一部に過ぎない。
当時のドイツ人も受け入れられる人はそうはいなかったらしく、興行的には失敗だったが、多くの人が(強制的に)見た。それによって影響を受けていたのも事実であり、当時の人たちはナチスによって作られた「真実」によってユダヤ人をネズミのように嫌うようになっていった。
とはいえ現代の私たちとて当時の人たちを笑うことはできない。
最新の映像や細かな数字、専門家の意見などを並べられると、なんとなく「真実」であるかのように思ってしまう人たちが現代もいる。その「真実」は加工された映像や、デタラメな数字、切り取られた専門家の意見によって悪意を持って意図的に作られたものかもしれない。それによって日本人は長らく「従軍慰安婦を強制連行した」「徴用工をお金を払わずこき使った」という嘘を「真実」だと思い込み、授業で教えるまでになっていた!
ただ私たちと当時のドイツ人と違うことは、作られた「真実」ではなく本当の真実を調べられるということだ。
プロパガンダは私たちのすぐ近くに潜んでいる。巧妙な嘘に騙されないためにも一つ一つの情報が正確であるかを調べることが大切だ。
そういう意味では、本作は反面教師としての価値がある。同じ歴史を繰り返してはいけない。
視聴方法:某動画共有サイト
saodake

saodakeの感想・評価

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ナチスがユダヤ人をどういう思考回路で差別していたのかが少しは分かる。
実際のところ現代のヘイトスピーチと大して変わらない陰謀的な内容なのがかえって恐ろしい。ネトウヨの朝鮮人差別と重なる部分も結構あるなぁと感じた。
ホロコーストのようなジェノサイドが今後も世界のどこで起きてもおかしくないんだなぁと分かってしまった。。