このレビューはネタバレを含みます
ただただ美しい愛の物語。
少し乾いたイタリアの景色と齧り付いたアプリコットの瑞々しさのコントラストが美しく綺麗だった。
エリオとオリバーの違いがひしひしと感じられる映画であったがキスシーンでそれを突きつけられた。猫みたいに無邪気にキスを求めるエリオがとにかく可愛かったけれどそれと同時にそこには大人の余裕があるオリバーがいて、でもそれは大人の余裕なんかじゃなくていて世を知っているからこその躊躇いで。
アプリコットもハエも神話も、鼻血もお父さんがオリバーに見せた彫像も、引き揚げた像も、全てに意味があると思うのだけれどまだ分からないことも多い。
ゆったりとした構成の映画だけれど、だからこそ皆の息遣い、目遣いが感じられて感情を揺さぶられた。特に自分の名前で互いを呼び合う象徴的なシーンは本当に美しくて…。
とにかく美しい愛の物語。もう一度見たいけれど暫くはこの感情を大切にしておきたいと思う。
ps.嘔吐のシーンがよく分からないというレビューも見たが1番グサッときた。オリバーのことが好きで好きでたまらなくて無理しちゃうちょっと子どもなエリオ。