モカ

君の名前で僕を呼んでのモカのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.0
後半お父さんが静かに語るシーンを見て、あそこで終わらせればいいんじゃない?って思ったんだけど。
終らなくて良かった!!

列車のシーンで涙。そしてお父さんの告白からエンディングの暖炉まで号泣(心の中で)

「美しい」って講評ばかり並んでるんだけど、本当にとにかく美しい。色が鮮やかとかカットが独特とか、何か特別に尖ったものがある訳ではないけれど、全体的に調和が取れている美しさ。

イタリアの田舎独特の降り注ぐ日差しや大粒の雨、川面の輝き、熟した桃の実、脱いだままのシャツ、埃っぽい屋根裏部屋。
全てが匂い立つように、眼前にあるような錯覚に陥る。
音楽も素晴らしく、特にピアノの曲は全体をまとめる美しさに欠かせない要素の一つ。

何よりティモシー・シャラメの演技が素晴らしく、大人ぶった振る舞いと子どもっぽい意地っ張りが交代交代に現れるのは、思春期の男の子らしくて和む。
最後のセリフ無しの長回しは、見ているこちらが目をそらしてしまうほどの苦しさが伝わってきた。

優しく見守る両親はナンニ・モレッティの映画に出てきそうな暖かさと、女の子たちの少し恥じらいの混じった可愛らしさ。
目立ちすぎない周りの人々の描き方も良かった。

I want you to know. I want you to know.

ところで両親はどこの人なのでしょう?フランス語を話してると思ったら、急に英語になるし。
ストーリーはまあ普通ですが。サントラ買いたくなりました。
モカ

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