鯨

君の名前で僕を呼んでの鯨のネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

1番印象に残ってるシーンは、エリオが自分の秘密の場所にオリバーを連れて行くところ。そのときの一場面。オリバーの背中をぽかぽか叩いて、そのまま背中に抱きつくところ。きらきらしてて、美しい光景だった。
それと同じくらい「おっ」と思ったのは、いちばん最初に、ご飯食べるところでエリオがオリバーの胸元に一瞥するところ。最初、エリオがゲイなのかな、それとも、あのダビデの星のネックレスを見てるののどっちだろうって思ったんだけど、ちゃんと作中で言及されてた。エリオもオリバーもユダヤ人なんだね。そして、エリオはそれが少し嬉しかったんだね。たぶん、エリオとオリバーがここまで心を通わせられたのは、同じ宗教を信じてるってこともあったのだと思う。ユダヤが強すぎるからネックレスつけるの母親に止められたオリバーがまたネックレスをつけるようになったのはそれまではやっぱり自分の信仰を異端だと思ってたんだろうし、だから周りのみんなと積極的に関わろうとしなかったんだろうなと思った。魚を見せてくれたおじさんには愛想がよくてとても可愛らしかったのに、、
マルシアは、本が読むけどそれを隠す、本を読む人は秘密を持っている気がするからだ、と言っていて、まあそこにエリオに惹かれた全てがつまっていると思うんだけど、かわいそすぎだろー!!!! ただのめっちゃええやつやん!! だってやることやってるじゃん! というかむしろやることしかやってないやん! エリオとマルシアの肉体的を求める感じと、エリオとオリバーの、手を重ね合う、足先でお互いを構い合う、精神的スキンシップの対比がけっこう心に来たぜ…マルシアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙、でも、エリオもマルシアを軽んじたりしていたわけじゃなくて、きっと、詩集をプレゼントしたところに彼の彼女への愛はあったんだと思う、そしてそれをマルシアも分かってくれたんだと思う、全面的にマルシアの懐の深さで成り立ってるいい女よあなたは。
エリオの性欲を持て余してる感がすごいリアルで、よかった。とくにアプリコットを用いる場面ね、最初の指を突っ込む感じ、よかったよね、そのまま暴走してとんでもないことになってたけど。それ以外も、ゲイビ見てるの、、? 洋モノ、、?? みたいなシーンがいくつかありましたよね、マルシアのおっぱいってあれ、大丈夫なの? 18禁にしたほうがいいのかと思ったわ。まあ、ふつうにさいこうだったけど。
あとあれだね、エリオの顔が、最初と最後じゃ全然違うなって思った。ちゃんも成長してた、家族じゃなくて他人と精神的な繋がりをもった人の顔? ほんとに変わってるのかは分からない、けど、そう私は感じたから、それだけの演技力が役者にあったのだと思う。
オリバー! めちゃハンサムだね、アメリカっぽいハンサム! エリオはラテンっぽい感じあった確かに。眉毛とか濃かった、あと横顔がまじでベルばら。オリバー、最初はなに考えてるか分からなかったし、エリオが惹かれてるのかなーと思ったんだけど、だんだんこいつめちゃエリオ好きやん! 確かに、バレーボールのときの触り方はやらしくてひっかかったけど、天然なのかと思ってたわオリバーいっぱい堪えたんだねがんばった、でも、最後、なんで、婚約したの? だってさ、あなた、エリオのこと大好きでしょ、エリオはまた次に踏み出せるよそういうタイプだよ、泣くしナイーブになって、よく分からん女の子抱いちゃうかもしれないけど、ちゃんとまた本気で人を好きになれるよ、オリバーを思い出にできるよ、最高の絆だった、って。でも、オリバー、あなた一生引きづるタイプでしょ、むりだわ、やめといた方がいいよ、お父さんに矯正施設に入れられるかもしれないけど、でも、エリオを手放しちゃだめだよ、じゃないと幸せになれないよ。
ばかだなぁ、オリバー。エリオ泣かせて。
と何から目線? という心配をし続けた。
でも私は、あの美しい光景を忘れないし、2人も忘れられないんだと思うそれでいいのかな? いいんだろうな、うん。2人の短くも美しい、自分の人生のいちばんきらきらしてたときを見せてくれたんだろうな、この映画は。
まあそんなに面白いかって言われたら分からんけど、死語を使うなら萌えは割と詰まってる、映像美、音楽がいい、俳優かっこいい、って感じかな。あの人たち、演技してるって感じじゃなかったよね、致してるとことかキスのとことか、それ以外も。うまい、って思った。
他人におすすめはしにくい、私ですら引くシーンがあった、けど、誰かをしぬほど好きになりたくなった。うん、


コメントのその後
文学作品臭がすごい、マスターベーション系?
あー待って思い出した、なんで最後お母さんに迎えに来てもらったの? 自分で帰らなかったの? 私だったら、あんな自分いちばん見られたくないけどな、まだエリオは子供ってこと?

こういう話で、私のたぶんすきな感じは、もっと孤独で世界に二人きりって感じなんだわ、エリオが周りに恵まれすぎてたのかな、分からんけど、親との距離が近くて私はだめだった。お父さんのお言葉タイムとか、私はあれ、好きじゃない。なんでだろ、いいことを言っているし、感情を認めてあげることってすごい大事だって肯定してくれてるのに、私にはさむかった。
エリオの両親は、エリオが幸せになってくれればオリバーとの仲応援してくれてるんだろうけど、どこかで安心していたんじゃないの?
あ、あと、エリオとオリバーが結ばれた次の日の朝のオリバーの表情、圧巻だったよね。オリバーと目が合ってるときは、微笑むの、でも、オリバーを見つめる目は激しくて、怯えてて、後悔してたのかな? うま…という感じ、あ、うまいといえば、最初、立て付けの悪いぎしぎしした扉が閉まるシーンでオリバーがびくってなってるの自然でよかった。でも、腹横怪我したとこ、特殊メイク取れかかってなかった?笑

同性愛だからこその閉塞感、私の好みを伊達ちゃんが言語化してくれたんだけど、この作品は二次創作じゃない。現実を描こうとしたもので、現実には愛以外にも大事なものがいっぱいある、オリバーが理解のない親に苦しむように、、そっか、そこに意味があるのか、と腑に落ちたよ。それからお父さんは考古学ギリシアとかヘレニズムとかの教授だから、昔自分がその感覚を持っていた、だけじゃなく、同性愛に対する理解があったのでは? という指摘をもらった。確かに! あと、オリバーもそういうわけで考古学の研究をしているのかと思ったむきむきイケメンいっぱいだもんね。
あ、でも、これは同性愛をテーマにしたわけでは無いのだと思う。大事なとこは、同性愛じゃない気がする。言葉にできないけど、あれは男同士であることを楽しむものではないと思う。もちろん男同士じゃないと成り立たない物語だけど、でも、いちばん大事なとこっていうか、監督が描きたかったテーマは同性愛っていうよりはむしろ、美しい景色と、美しい音楽と、美しい人と、そこで初めて知る感情と、持て余す性欲と、割と、こう…あの世界を描きたかったんだなと思った
鯨