画面の隅々まで美しい。台詞もクサくない程度に美しかった。キラキラと陽光に輝く自然のなかで、古代ギリシャの彫刻のような少年と知的で精悍な若者が恋に落ちる。美しい。
一歩踏み出してからのエリオの色気は凄まじかった。たびたび逆光で彼をとらえるシーンがあるのだけど、もう溜息しか出ない。
この映画で、もっとも伝えたいことは、きっと父親の言葉にあるんだと思う。ほとんどの親は、10代の“揺らぐ時期”に「早く目を覚ませ、結婚して、子どもつくって、親を安心させてくれ」と言うだろう。でも、エリオの父親は言わない。その時期に感じたことは一生の宝物になるだろうから。誰もが、その宝物を見つけて、手にすることができるわけではない。手にすることができたひとは幸せなんだと。
初恋のひとを失ったのではない。
一生の宝物を得ることができたのだ。
そんなようなことを言ったのだと理解。
LGBTへの理解が乏しい時代に、こんなことを言えるなんて。
めっちゃいい父親、、、。