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A2 完全版のsnatchのネタバレレビュー・内容・結末

A2 完全版(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

居場所がないからオウム真理教にいるようにも見えてきた。出家した信者達は絶対にそんな事は言わないが
日本中どこに行っても追い出される
確かに、隣に引越してきたら不安だ
でも、住民たちと右翼の怒号罵声浴びながらマスコミに書かれっ放しで、よくキレないもんだ
これは精神崩壊するか憎しみ増すよと思いました

でも、生きているんだからまだましだ。事件に巻き込まれて亡くなった方を思えば
オウム真理教、警察、国民の全ての本性を見尽くし奥さんを傷つけられ犯人と間違えられた松本サリン事件の被害者河野義行さんを思えば
当時、私も河野さんが犯人なんだろうと思っていた
数々の事件を尊師の考えた上での結果と認識している信者たちを見抜いての、河野さんの信者への哀れみとマスコミ対応のあしらい
どこまで人は傷つけられるのだろう


でもこんなのもあった
見張り小屋から信者を監視し毎日顔合わせているうちに、信者の若者二人と仲良くなってしまった住人達。信者も住人も私も森達也監督も皆んなびっくり!
きっと何か言葉を交わしたのが始まりで、お互いの顔を知るようになり、バリケードを撤去したのだろう

人間のこの心
何がなんだかわからなくなってくる
でも、ここの町内の住人の心は対話して一歩進んだ事はわかる

前作「A」からこの時間経過を辿ってきて森達也監督の心中は終わらせない風化させないという気持ちで一杯だったのだろう

でも、私も監督や荒木さんと一緒で、じゃあどうすればいいんだと…答えが出てこない
謝罪して賠償金返還していけば終わるのか。違う
森達也監督が現世とのパイプとなって、彼らに話しかけ、彼らが笑い答えるのは平和な平凡な日常にしか見えなくなってくるが、何も解決していない事を覚えていなければいけない

今、どんなふうに思って生きているんだろう、この人たち
2023年の今も入信する二十代の若者はいるそうだ

日本人の得意な忘却スイッチを壊した記録映像、観ておいてよかった

ドキュメンタリー「望むのは死刑ですか オウム“大執行”と私」[告白編](長塚洋監督)も先日観る機会がありよかった。やはり荒木さんでは答えられない答え全てを、あの13人に話してもらう対話記録が必要だったのだと思う。もう遅いけれど
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