[何を盗むか]
さて、[8]を。
「オーシャンズ13」からの、直接的な続編とも見れる。兄のダニーは、完璧に作戦を遂行するために、メンバーもそれに使う道具も、ハイレベルなものになっている。だから、ゴージャスではあるが、ロマンがある。比較的、「男性仕様」な作品に仕上がっている。
それに比べ、デビーの方はというと、確かに作戦も、メンバーも、ハイレベルではある。だが、三部作に比べたら、小規模になったかもしれない。こちらは、より[作戦の精密さ]を出した作品に思える。女性の特性を取り入れた、華麗なものに仕上がっていた。そう、「女性仕様」だ。 納得。
ソダーバーグは「時代」を、そしてゲイリー・ロスはおそらく、「世代」を盗んだのだと思った。派手さも重要だが、少なからずだが、現実的に精密さが求められてるのだなと思った。これは[世代の変化]を感じさせる例だと思いました。
気付けば、そんな自分を含め、観客の[興奮]も、彼女たちに盗まれていくのでした。
今後の[9]・[10]もそうなってほしいと、僕は願いました。