藤沢周平にも通じる作品ですね。
己の信念と組織のしがらみ、どちらを取るかと言われれば躊躇なく信念を貫く下級武士の生き様。見事という他ありません。
理詰めで考え決してブレない。ブレないからこそ、単調で、面白味はありませんが、だからこそ美しい。日本人としての美意識を感じさせます。
公開が2010年ということで、企画が持ち上がったのが2007年くらいでしょうか。『消えた年金問題』が世間を騒がせていた頃ですから、そのあたりからの問題意識での映画化なのかと思いが巡りました。
昨今の文書改竄や統計不正など、この作品で描かれたような役人による身勝手な行いは今だに後を絶ちません。
公僕の方々には、この作品を観て猛省を促したいと思います。