りのあ

羊の木のりのあのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
4.5
いいところでしょう?
人も良いし、魚も美味い。


さびれた港町・魚深(うおぶか)に移住してきた互いに見知らぬ6人の男女。
市役所職員の月末(錦戸亮)は、彼らの受け入れを命じられた。
一見普通にみえる彼らは、何かがおかしい。
やがて月末は驚愕の事実を知る。
「彼らは全員、元殺人犯」。
それは、受刑者を仮釈放させ過疎化が進む町で受け入れる、国家の極秘プロジェクトだった。
ある日、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文(木村文乃)をも巻き込み、
小さな町の日常の歯車は、少しずつ狂い始める・・・。


冒頭のセリフは魚深市の職員、月末が元殺人犯を迎えに行く度に言う言葉なのですが、この時はまだ知らないんです、6人が元殺人犯なのを。

ミステリーを重点に見たら、何ヶ所か謎というか意味がわからないところもあったのですが、ヒューマンドラマとしてはとても良かったと思う。
とりあえず元殺人犯の6人を演じた誰もが、なんか胡散臭く役にハマっていた。
これだけでもう面白い。
あと脇役なのかもしれないけど、魚深町の住人役の安藤玉恵さんと中村有志さんが素晴らしい!!この2人のあるシーンで泣けた。

松田龍平の何考えているのかわからない表情や、いかにも悪巧みしそうな北村一輝、
顔からして怖い田中泯。
もう1人、水澤紳吾さんは初見でしたが、
おどおどした感じがなんとも怪しい。

優香さんって、前の王様のブランチとか、クイズのQさまとかしか印象になかったので、こんな演技できる人なのか!!と良い意味で驚いた!エロかった(笑)
市川実日子さんは、もうあの個性的な存在感とかはすごかったけど、1番ストーリーの中ではインパクトが薄かったかも。
彼女が拾ったアレも意味がわからなくて残念。


印象だけでどう思うのか、どう接するのか?
元殺人犯と知らない時と知ってからは変わるのか?
いやー、いろいろ考えさせられました。
6人は全員町に馴染めるのか?


最後に主人公の月末役の錦戸亮。
つきすえ…って言いづらいし聞き取りにくいよなぁ。原作があるから仕方ないのだろうけど、特に木村文乃が叫んでる時は、
つきせーーーと聞こえていた。
私はeighter(エイター=関ジャニ∞が好きな人のこと)なので、ちょっとは贔屓目があるのかもしれないし、でもどっくん(錦戸亮の事を私はどっくんと呼んでる)
はメンバーの中ではさほど興味あるわけでは無いけど、やはり演技は好きだなと思った。主人公なのに地味な町役場の人がよく似合っていた。

予告で、驚愕するけど希望のあるラストみたいに言っていたけど、まさにそんな感じだった。
久々に邦画で良いものを見せていただきました!


昨年12月30日に亡くなった深水三章さんは、今作が遺作になったそうで
ご冥福をお祈りします。
りのあ

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