基本的に静かで、暗いおはなし。
ひ弱で言葉少なく俯きがちな少年シャロン。いじめに遭い、母親はヤクに溺れて子供を放ったらかしで父親はいない。
何と不幸な環境なのかと思っていたら、更に人生を変える大きな出来事が続く。
筋骨隆々になっても、自分の内面は変わらなかった。筋骨隆々になる事で変わるものなのかを確認したかったのかもしれない。
あの荒々しい外観ながら、内に秘めた一途な思いを大事に守り通したのは意外だった。
繊細なテーマで描くのが難しかったと思うが、本作によって救われた人も多数いたのではないか。
アカデミー賞で三部門も受賞したのは、作品単独の評価だけではなく、世の中の風潮を読んだある意味エポックメイキングな事なのだろう。