一粒万倍日

ムーンライトの一粒万倍日のレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.6
女みたいだと学校でいじめられている内気で気の弱いシャロンに、麻薬ディーラーのファンが気にかけ保護してくれる。
ファンがシャロンに海で泳ぎを教えてくれる様子は、まるで大海で生き残る術を伝授しているようです。
そして、「自分の人生は自分で決めろよ!周りに決めさせるな!!」と教える。

シングルマザーの母は薬物中毒で、薬を買い求める為にいつも貧しい生活という環境下で、子供から青年期、そして大人へと成長していくシャロン。

唯一の友達だったはずのケビンから理不尽な暴力を受けるなど決して幸せとは言えない青年期を経て、いろいろな恨みや不満を抱えながらも曲がらずに麻薬ディーラーとして自立していった。

シャロンが自分で決めた道は、ファンと同じ仕事。

裕福になり、自分を律した真面目な暮らしぶりから、心の安定を感じる大人になった。
また、ケビンへの気持ちを持ち続けていたといういじらしさに驚く。

いくらでも自暴自棄になれる生育環境であったはずだけど、そうはならなかったのは、弱っていた時に気にかけ声をかけてくれたファンの存在と、シャロンの人柄からか…。

ファンの様なお節介ってなかなか難しいと思うけど、彼の正義感ある存在が私には救わる映画でした。