詩的で叙情的。
ムーンライト、これをタイトルに持ってきたのはどういう意味なんだろうか。
最後も意味ありげな、海辺に立つ少年の背中を月明かりが照らす姿。
フアンの「月明かりに照らされると(黒人のお前が)ブルーに見える。だからお前はブルーだ」という老婆の話が、やっぱりこの映画の重要なテーマなんじゃないか。
月明かりに照らされて、あなたが私にはブルーに見える。
だから私にとって、あなたはブルーだ。
人種、性的指向、誰の子ども、…何であろうと、そういう記号はあなたが何者かを規定しない。
夜の海辺の月明かり、ピアノ・ソナタ「月光」が似合うな。哀しい。
「悲しい」とか「愛」とか、そんな一言ではとても言い尽くせない感情ばかりで、それをしっかり伝えてくれる演技も素晴らしかった。