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ムーンライトのkomblogのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

キューバ系黒人社会の抑圧の中で生まれた恋の物語。「月夜には、黒人の肌は青く見える」からこの題名で、月夜の海のシーンとか海の青が印象的に登場する絵の綺麗さは注目。
全体に明確な3部構成になっていて、第1部が子供の頃、2部が高校生。3部が大人。通して主人公の苦悩が語られる。
注目は、主人公の母。完全なるジャンキーで、子供から金をふんだくって薬を買うような女。しかし、3部で改心して子供に説教するところが胸糞w まー、とはいえ母だしなぁ〜、と思うとちょっと涙もしてしまうんだけど…
あと、マハシャラ・アリ演じるおっさん。ドラッグディーラーでたまたま主人公と出会い、いろいろあって主人公を世話していく。ただ、残念ながら第1部にしか出てこない。その彼女役(?)テレーサも実は2部までしか出ない。どちらも3部での大人になった主人公に影響あってそうだけどなー、だってマハシャラ・アリそっくりだもんな〜、大人になった主人公?、と思った。
親がジャンキーでどうしょうもないとか、近所にヤク中の巣窟があるとか特殊事情は多少あるものの、ゲイの人がどう生きざるを得ないか、という、アフロアメリカンだけでなく、ある意味アメリカ全体の男社会における「マッチョ至上主義」的なものが根底にあって、その中での葛藤なので普遍性もあるんだろうなぁ、と思う。
もっと語りどころがありそうなストーリーでそこがちょっと物足りないのと、第3幕で主人公があんまり悪い方向に行ったという感じがしない。まー、そもそもマハシャラ・アリもテレーサもそんな悪い人じゃないしね。
そして、一番思ったのは、主人公が愛した男がまーいろいろあってとは思うけどなんか思わせぶりな態度を取っている気がして「こいつ、モテる女かホストみたいな対応してくんな〜」と胸糞感を禁じ得ないところもあって、全体としてあんまり乗れなかった。
まーでも、恋愛映画として好きっていう人とかいてもおかしくない作品ではあると思う。曲で気持ちを伝えるシーンとかキュンキュンする人いると思うし、絵も綺麗だし。
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