いち麦

ムーンライトのいち麦のネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

弱い者が更に弱い者を虐める病んだ構造や、母性と父性への対照的感情構図は分かりやすい。その上で言葉少ないシャロンの心と変容をマイルドな映像表現で味わう作品。性描写も暴力描写も淡く抑えた分、物足りず突出感もない。

『ムーンライト』で自分が物足りなく感じる点。第1章「リトル」…自分のアイデンティティの気づきと苦悩は幼少期なら尚更、計り知れないほど大きい筈(映画としては大きな見所になる筈)だが、フアンとのあの対話だけにその描写が押し込められてしまい、余りにも不十分に(勿体なく)思えた点。
第3章「ブラック」…ケヴィン宅での彼との淡いベッドシーン(?)。シャロンの純愛の程は良く分かったが、ケヴィンも又、苦しんでいた故、現在の彼のシャロンへの気持ちはどう変容しているのか。これはしっかり性描写で見せて欲しかった点。画のとおり、なお報われぬ純愛のままなのか。
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