今シネコンに映画見に行くとたいてい予告で少女漫画原作の高校生恋愛映画、いわゆる壁ドン頭ポン映画の予告が流れるんですけど相手役はたいてい山崎賢人か福士蒼汰で(偏見)愚にもつかない内容の予告見るだけでも苦痛を伴う似たり寄ったりの作品が雨の後の竹の子みたいにたれ流されてます。
で本作ですがこれこそがまさに真の意味で｢少女漫画｣でした。
主人公の生きる世界は現実の世界ですけど何処か異世界のようで絶望に満ちてるのにファンタジック何ですよね。
それらを作り出しているのはやはり映像の美しさだと思うのですがダリオ・アルジェント監督『サスペリア』のコダックのフィルムをつかった特殊な映像とか、今の技術だとデジタル処理で様々なフィルムの質感などを再現出来るのですよね。
それらの映像技術をフルに使った通常ドキュメンタリーで描く様な内容をここまで非現実的にファンタジーとして描いたのは見事でした。
主人公の成長と苦悩と恋愛の一代記。
少女漫画の世界を実写でやるとしたらまさにこんな感じに。
主人公が小松菜奈･土屋太鳳･広瀬すずでなくてムキムキの黒人男性でも少女漫画は出来る！
のんさん(能年玲奈)を一番売り出さなくてはならない時期に『ホットロード』みたいな大昔の少女漫画を引っ張り出して来るのは何故何だと思ったのですが今の壁ドン頭ポンポン映画の状況を見るに作品のチョイス的には間違ってなかったのかなと。
