ちろる

地球が壊れる前にのちろるのレビュー・感想・評価

地球が壊れる前に(2016年製作の映画)
3.9
つい先日、岸田首相も参加した第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議 (COP26)。
イギリスとイタリアを中心にしたこの会議で、気温上昇を1.5℃未満に抑えるための具体的な計画を各国に策定させて、議論をした。
各国の掲げた目標は大きな溝があり、さらには大国であるロシアや、二酸化炭素の捻出量が多い中国の不参加など、まだまだ足並み揃えるには課題が残る温暖化問題。

ボスの快楽の園
人間は無意識のうちに環境破壊を招いている
エデンの園から追放されゆく私たち。
気候変動による温暖化を皆が認識しながら、どこかで手遅れではないかと感じ、見て見ぬふりをする。

ディカプリオが環境問題について取り組んでいることはフワッと知っていたが、ここまで深く考えている人物だとは知らなかった。
国連の平和大使として選ばれたディカプリオ。

取り組んでも変化がすぐ実感できない、環境問題について懐疑的な人々の声によって、後回しにされてしまう。

気候変動は紛れもない事実なのにも関わらず、なぜこぞって口を紡ぐのだろうか?

エネルギー産業と政治の癒着
今の豊かな生活が蝕まれるのではないかという不安から、聞こえないふりをする人々

インドネシアのパーム油産業との癒着。
家畜のメタンガスの大きな影響
珊瑚礁の絶滅
利益を誰かに与えるこれらが着実に地球を壊していく。


住む場所がなくなる
食べるものが無くなる
仕事を失う

温暖化はいまは緩やかでも、一旦上昇が始まればもう歯止めは効かない。

豊かな未来とは?
人々の声が政治を動かすことだってある。
一人一人が実行すれば未来は変わる
フランシスコ教皇が気候変動について言及されたこと

もはや、エデンの園ではなくなった我々の地球
映画ではないから脚本は簡単に書き換えられない。

どのように暮らし、誰をトップに選び、何を消費し、何を選択していくのか。

この映画が上映されたころはただ、ひたすら近代化しすぎた人間たちの生活を憂い、便利になりすぎた生活を少しずつやめていこうと運動がメインだったが、二酸化炭素ビジネスのゴールドラッシュと呼ばれる今、炭素クレジットなどCO2削減をキャッシュとして還元したり、二酸化炭素を固体化して空気中から除去する技術なども出てきて少し変化していっている。

あとはコロナ禍で少し綺麗になったと言われる地球の空気が一気に汚れませんように。
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