もこもも

女神の見えざる手のもこもものレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.2
敏腕ロビイスト・スローンの銃規制法案を巡る戦いを描いた"激震"の社会派作品

息もつかせぬ圧倒的な2時間
沸々と湧いている熱量が凄まじい...
夢中になっていることに気付けない程
この作品に見入っていてしまって、
衝撃のラストからEDにかけてようやく
自分がこの作品に見入ってたこと、
これが凄まじい作品であること、
この作品が面白いことを実感させられた
ストーリーの展開がどうなるかを
全く知らない状態で観れてたのは幸い

「勝者は敵の一歩先を読んで計画し
 敵が切り札を使った後、自分の札を出す」

言葉の数が多く、展開も速いから
集中してないとすぐ置いていかれるけど
自分がこの作品に見入った1番の理由は
展開が気になるからでも、
張り詰めた緊迫感でもなく、
スローンがどんな人間であるかを
知りたい気持ちが収まらなかったから
普通じゃない狂った人間やと思うし、
共感もできないし、恐ろしさも感じるけど
スローンが持つ特別な魅力に惹かれ、
彼女の言動や行動から目が離せなかった

大金を欲しがるわけでも
名声や称賛を欲しがるわけでも
愛情や信頼を欲しがるわけでもない
彼女をここまで駆り立てた理由は
"勝利"の2文字

スローンは圧倒的に強くて賢くて
素晴らしい優秀な人間やけど
間違いなく勝利への執念が常軌を逸してる
境界線が分からないって言ってたけど
多分違うんじゃないかなって観た後は思う
境界線も自分の行いも全て分かった上で
全てが勝利のためやったんやなって

銃の規制が描かれていたり
議員や法律について描かれているから
ストーリーに深みと重みがあって
アメリカの闇や政治家の闇に
考えさせられる部分も多かった

「勝つ能力以外に信じられるものは...」

ラストの聴聞会のどんでん返しえぐい...
あまりも大きな衝撃に鳥肌が立ちまくった
どんでん返しがあるって知らなかったから
よりこの時の強い衝撃が胸に残る
行き過ぎたスローンの裁きやと思せて
最初から全てが仕組まれ、最初から
チェックメイトやったことに痺れる
まさに"激震"でかっこよすぎて
あっぱれっていう快感もあったけど
それだけじゃない余韻も胸に残ってる
最後の「刑期5年よ」が胸に沁みた

「良心に従って投票する
 正直な政治家は報われない
 利益を得るのは卑劣なネズミ
 餌を食べ続ける為祖国を犠牲にする
 間違えないように
 このネズミどもが本当の寄生虫
 米国民主主義を蝕む」
もこもも

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