いかえもん

薔薇は死んだのいかえもんのレビュー・感想・評価

薔薇は死んだ(2015年製作の映画)
3.5
川を流れてきたかごの中には高級娼婦エルザの遺体が。事件の4日前。この家には昔からのエルザの友人ロージが家政婦として働いている。そこへ若い娘カトゥが雇ってほしいとやってくるところから、いったい何があったのかが語られていく。

一番最初に死体が出るのでサスペンスなんですが、それよりはこの3人の女性のいろんな思いが交錯するのが非常に面白いです。

エルザは自分というものを武器にした最強兵器で、男を操るその力がすごい!マックスという富豪の愛人なんですが、マックスは何をやってもエルザ様にはかなわんな…と思いましたね。
それとは逆に、なんでこんなことに…と思いながらジメジメ生きてるロージの対比が悲しい。過去のことにとらわれるとろくなことがないと思いました。人を呪わば穴二つです。
そして、カトゥ!若さというエネルギーが、うつむいていても溢れてくるような美しさ。ちょっとうっとりしてしまった。そんなカトゥに胸を張って、いつも堂々としているようにと言うエルザ様のアドバイスは、全女性に当てはまりますねぇ。
逆にマックスの40を超えた女は…というセリフには、ショックとともに、このおっさん…!!!(怒)という気持ちが湧いてきてしまいました。

薔薇は死んだというのは、もちろんエルザの死を意味しているんだろうけど、薔薇というのが女性のいろんな意味でのピュアな美しさの象徴ならば、エルザもロージもある意味その薔薇は既に死んでいたし、カトゥの中にあったピュアな薔薇もラストシーンで死んでしまったような気がしました。