たーぼーん

鉱 ARAGANEのたーぼーんのレビュー・感想・評価

鉱 ARAGANE(2015年製作の映画)
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工業地帯での肉体労働者だった父や、とび職の友人とかとの過去の話を総合すると、鉱山での仕事の危険度の高さは他とは比べものにならない程の様である。
僕の小さかった頃にはまだ日本にはいくつか炭鉱があって(今も全くない訳ではないらしい)、しかし時の経過とともに次第に閉山に追い込まれ、炭鉱城下町的なかつて繁栄した地方都市は現在極端な人口減少に喘いでいる。
なぜ閉山したのか、石炭資源等の枯渇といくつかあった炭鉱事故が原因だろう。
若い頃進路を考える際、親の様な肉体労働だけは無理だし嫌だと必死で逃げた僕からすると正気に思えないのだが、今作の監督は荒くれな炭鉱労働者や彼らを包む際限ない程の真っ暗闇に魅せられた様なのである。恐怖を上回る狂気じみた興味がもたらした成果が、この「鉱ARAGANE」である。もうちょい長かったらとも思うが、素晴らしい作品である。