このレビューはネタバレを含みます
一応東京と福島をまたぐ物語。冒頭から無闇に女子が出てきて、無闇に人が死ぬ。ダークファンタジーの印象がある。
ストーリーらしいものは家業を継いだ双子の兄、今泉太郎のもとに10年前に失踪した、弟の次郎(山下義人)の彼女と名乗る人物が実家を訪ねて来る程度。そこに関わる恋人、兄弟、家族たちの群像劇。
東日本大震災から5年後の物語という設定からみても「日常」「人の死」といったものが再定義・再確認される物語。それを裏付けるようにセリフひとつひとつが丁寧に構成されていると感じる。
ある意味不条理である大災害を経て数多の監督個人はどう捉えたのか。今泉監督の答えはこの映画なのだろう。
それにしても東京と福島の場面が切り替わってもトーンが変わらないのは意図的なのかわからないが、少々混乱する。
監督の意図を「感じながら」観ることが出来たら好きになる作品と思う。