おたしん

ニーゼと光のアトリエのおたしんのレビュー・感想・評価

ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)
4.4
どれも素敵な作品でした。
みんな才能のあるアーティストだった。

異常だと決めつけ強制的に鎮めるのが残酷すぎる。
あれが治療って正気で言ってんのか。

意見を聞くのは難しいけど何も聞いてあげないで何も知らないで病院側が正しいと思い込んでることをするのは合ってるのだろうか。
ちゃんと耳を傾けてほしい。
諦めないで向き合ってほしい。
患者ではなく顧客と呼ぶのは彼らを最優先している証拠だったのかもしれない。

外に出て自由に好きなものを描く造る。
明るい表情になり笑顔すら見え真剣な眼差しで作品を見つめる彼らは誰が見ても回復傾向にあったはず。
色んな感情が芽生えたり言葉を発したり身体と同じように精神も治っていく。
楽しそうな彼らの姿に何度も感動した。

それを壊したのは医者のプライドか。
自分たちの間違いを認められないのか。
犬への仕打ちは信じられない。
愛を注いでいた仲間を奪われて悲しみの果てに怒り狂うのは正常ではないか。
自分たちは全く動じないとでもいうのか。
すごくショックだった。
ニーゼ先生が叫んだとき自分も同じ気持ちだった。
異常者はどっちなんだ。

施設を目の当たりにしたことがないので正直序盤の好き放題しているシーンは怖いと感じてしまった。
そこに寄り添うのが医者たちの使命。
ケアをするだけでなく長所を見つけて伸ばしてあげたりコミュニケーション能力を育ててあげたり社会との溝を無くしていくことは素晴らしい。
同情もゼロではなかったけど涙がとまらなかった。

ニーゼ先生の信念の強さは尊敬しました。
寛大で真面目で顧客思い。
人間としてカッコいいな。
どうか他の医者たちが後悔してますように。

人として扱わないって最低。
まだまだ何も知らないのに。
簡単なことじゃないのは承知。
どんな人にも優しい心で接したい。
芸術が誰からも愛されるように。
おたしん

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