ニューランド

Little Stabs at Happiness(原題)のニューランドのレビュー・感想・評価

3.8
最初に観たジェイコブスの作品か。当時はジャコブスという表記だったか。アンダーグラウンド映画の歴史を代表する映画群の、I・F=多摩美主催の特集上映の1本であったと思う。他のブラッケージ・スノウ・メカス・コンラッド・アンガーらが、何かを極め革新してゆく、清新で大胆で恐るべき作品群のなかで、日常・邪気・細部・こだわりを捉え癖ある細カッティングで成ってて、半端というよりその人間的個性が際立っていて(他が、ミニマルな生や広大な宇宙の神を追って、どこか峻厳だったので)その肩の力の抜き方が異色・際立っていたとおもう。調べればわかるが、『幸福の中の小さな傷』といったような邦題があったと思う(人気も)。とはいえ、感触は忘れ難いが、中身は殆ど覚えていない。
10数年後、再び我々の眼前に現れたジェイコブスは、『トム・トム~』等で、フィルム原理主義者的に変貌していた。その後は、写実とメディアへの関心を両立させていったが。だが、未だに一番好きなのは、『幸福~』期の『Window』だ、本当に自然で美しい映画だ。
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