いずぼぺ

ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦いのいずぼぺのレビュー・感想・評価

3.6
1961年コンゴへ国連平和維持部隊として派遣されたのは、二次大戦中オフィシャルには中立だったアイルランド🇮🇪軍。実践経験のない部隊ばかりだった。

コンゴの政情は安定化しておらず、国連軍も多国籍軍だからか指揮が統制取れていない。 
想定外の事件がおき、政治的にも見なされた中隊は傭兵による攻撃を受ける。何が敵で何をどうすればよいのかすら把握できないまま包囲戦に突入する。
この作品の一番わかりにくいところはそこだ。何がどうなればミッションクリアなのかが、戦略的にも戦術的にも混沌としている。
特殊部隊もなくこの間まで新兵だったような若者と戦史を愛読してきたものの実践経験のない中隊長。日和見主義な司令官。実態も効力もよくわからない国連。
中隊は誰一人死者なく帰還したのに、この戦いはなかったことに扱われた。
戦った理由も戦った敵もよくわからないのに、政治的にもこの戦いはなかったことにされた。40年後まで。40年間臆病者のそしりを受けて過ごし40年後に勲章授与。
何じゃそりゃ。

派手なアクションもなんもないのですが、「国連平和維持部隊」の難しさを考える機会になりました。

舞台になっていた土地はウラン鉱山があるそうな。ここのウランが広島と長崎に使用されていたことを初めて知った。
95-93