スズタカ

オリエント急行殺人事件のスズタカのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
3.1
年明け1本目には、旅情気分も良いじゃない!と思って、本作を観賞。

ケネス・ブラナー製作・監督・主演…って、どんだけ自分好きなの笑(^O^)。

話の設定自体は面白いのですが、やはり、使い古された感が否めませんし、最終的な結論が古すぎませんか。とても、今、上映する映画として通じる結論じゃないと思いました。

いくら、それ系の元祖であったり、1940年代設定の物語だとしても、今、上映するからには、何らかのアレンジは必要だったと思います。

演出的には、ミステリーにも色々あると思うけれど、この作品は観客が一緒に推理しながら、名探偵の凄さも味わう系じゃないかな?それなのに、最初にオリエント急行の搭乗者を全員ちゃんと紹介できていないから、観ていて全体が把握できないまま、話が進んでしまい、観客が推理しづらい。

更に、謎を解き明かすための要素は、それまでの展開には含まれておらず、主人公・ポアロが自身の知識を突然話し出して発覚する、後出しばかり…。まるで、観客が犯人を推理する余地がないんだよね。

また、制作陣は、主人公・ポアロの側に、トム・ベイトマン演じる、オーナーのブークが配されている意味合いが分かっていないのかな。ブークは、この映画を観ている観客の代わりとなって、劇中で起こる出来事を体験するとても重要な役どころなのに、全く活かせていなく、それも残念でした。

クライマックスの、ポアロが謎解きするシーンの演出も、異常にもたついていて劇中で明かされるよりも、早く観客は気づいてしまう残念さ。

俺は、”水戸黄門”とか”遠山の金さん”とかのような、古臭い時代劇を観ているような、気分になったなぁ。今時、いわゆる”大岡裁き”とか、架空としか感じられないし、リアルに心に響来ませんでした…。俺には、物足りなかったな。
スズタカ

スズタカ