8さん

ブルーム・オブ・イエスタディの8さんのレビュー・感想・評価

3.4
加害者と犠牲者の孫世代が、過去に囚われずに希望と共に未来を生きようとする姿を描いたラブコメディ作品。

時は、現代。ナチスの戦犯を祖父に持ち、家族の罪と向き合う為にホロコーストの研究に人生を捧げるトト。そして、ナチスの犠牲者となったユダヤ人の祖母を持ち、親族の無念を晴らす為に、やはりホロコーストの研究に青春を捧げるインターンのザジ。

スタート地点は真逆だが、同じ目標の為にアウシュヴィッツ会議を企画する事になった2人だったのだが……


『過去の嘆き+現代の情感=必然的な出会い』


この暴走具合はいつまで続くの?
と思いながら観てましたね。2人のキレっぷりに疲れさえ感じてしまう程、素晴らしい演技をしてるのですが、これが徐々に変化していくんですよ。彼らの会話には、ユーモアも入っていて観る方にとっては、笑ってしまうシーンもあるかもしれません。しかし、題材の内容が内容だけに、ここで笑って良いのか?まずいんじゃない?と思うのですが、こちらの気持ちはお構いなし!エスカレートしていくやり取りと状況、そして包み隠さずタブーに触れる作風にチャレンジ精神を感じてしまいます。

「午後8時の訪問者」でアデル・エネルを知ったのですが、その時とのギャップが激しくて彼女の演技の振り幅の広さを実感した作品でした。
8さん

8さん