滝井椎野

THE BATMAN-ザ・バットマンーの滝井椎野のネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

バットマンが復讐者からダークナイトへと至る物語。
ブルースの若かりし頃ということで、心身、さらには装備も未熟。だからこそブルースの中にある影が際立っている。ヒーローとしても、全身タイツの異常者としても、今までのシリーズに比べて最も人間らしさが残っているバットマンだったのではないだろうかと思う。
今回、世界最高の探偵としての側面が強く描かれているバットマンだが、一歩ずつ真相に近づいていく過程は連続ドラマを観ているようで面白い。その作り故の緩急が連続している為、長尺の割にダレることがなく最後まで観ることができた。
勿論、しっかりとバットマンらしいアクションもあり、視界の悪い中から突然現れては敵を倒していく戦闘は実に不気味で格好いい。
そんな彼が対峙するのはリドラー。ジム・キャリーのリドラーに比べると、まだまだ犯行はおとなしいながらも、知能犯ぶりが際立ち見事に気持ち悪いキャラクターとして描かれている。ポール・ダノの演技に脱帽である。
最後、洪水に襲われた街の人達を助けるシーン。ただの復讐者であった彼がゴッサムの守護者ダークナイトへと成長した姿に感動と同時に興奮した。
今後、悪の秩序が崩壊したゴッサムシティでどのような混沌が繰り広げられるのか、お馴染みのあのキャラクターも本格的に出張ってきそうでシリーズの展開が楽しみ。
滝井椎野

滝井椎野