観客に忍耐を要求する問題作。ものすごくうるさくて、ありえないほど暗い。何が起こってるのかよくわからなくてとにかくやかましいカーチェイスは、観ているだけでどっと消耗した。そして2時間経ってようやく登場したリドラー君は、水曜日のダウンタウンで立証済みの「後部座席に人がいる、がやっぱ一番怖い説」がハリウッドでも十分通用することを示してくれた。
彼のような狂気を生み出してしまうゴッサムシティに対する諦めと、それでもその街に留まることを選ぶバットマンの覚悟。ただでさえ自然災害に立ち向かうだけでも大変なのに、一国の独裁者によってとんでもないことになっている2022年に、3時間を費やしてこのフィクションと対峙する意義。現実世界だってよっぽどゴッサムなんだよなあ。まあ…同じ3時間なら僕はドライブマイカーのほうがいいや。
