グラディ映太

THE BATMAN-ザ・バットマンーのグラディ映太のレビュー・感想・評価

3.6
ゴッサムシティでのバットマンという存在が「復讐の化身」から「ヒーロー」に変わるまでの話。

〝バットマンになって2年(イヤーツー)〟とか、〝ハロウィン(ロングハロウィーン)〟とか、原作をガッツリ知らなくても聞いたことあるような関連ワードがチラホラ。


観る前は上映時間の長さが気になってたけど、始まってしまえばそんなこと忘れるほど没入できるダークな世界観。
前評判通りこれはヒーロー活劇ではなく、「セブン」や「ゾディアック」に近いクライムミステリー。

ロバート・パティンソンのバットマンは、俳優さん本人の醸し出す不健康そうな雰囲気も相まってかなり危うげ。
なんとなく儚くもあり、キレたら何するか分からんようなヤバい奴っぽさもあり。
いくら悪党相手とはいえ、あんなにタコ殴りにするバットマンは初めて見た😅

今回のメインヴィランであるリドラーは、やり方が間違ってただけで、本質的にはゴッサムシティの膿を出すために自分自身の正義を貫いたヒーローと言えなくもない。

「ダークナイト」でジョーカーがバットマンに対して似たもの同士みたいに言ってたと思うけど、今回のリドラーの方が出自も含めてブルースウェインに近い存在かも。


コリン・ファレルがほぼ原型を留めないほどの特殊メイクで熱演したペンギンは、「バットマンリターンズ」のダニー・デヴィート版ペンギンに比べるとインパクトに欠けるけど、なんか大物になりきれない感が出てて愛嬌があった。


贔屓目もあるけど、総合的にはやっぱりダークナイト三部作には及ばんかなぁ。