雪吹雪

THE BATMAN-ザ・バットマンーの雪吹雪のレビュー・感想・評価

3.5
退廃と混沌を極める街ゴッサムシティの市長が暗殺される。私的な自警活動によって街の悪党を成敗しているバットマンことブルースは、犯人と思われる男リドラーの残した謎を解き明かす過程で、ゴッサムに蔓延る様々な闇を垣間見る。隠されていた街の姿が曝される中、リドラーの毒牙がブルースにも向けられる。

上映時間3時間、ひたすら暗い。話も暗いが、とにかく絵面が暗く宛ら白黒映画の様だが、クライムサスペンス調のストーリーと相まって段々気にならなくなり、見ている側も影に溶けていくような感覚に陥った。
メインテーマとして流れるニルヴァーナの楽曲が作品の不穏さを助長し、本作の空気感を物語っている。「これはただヒーローが活躍する映画じゃないぞ」と言っている様。
でもバットモービルにはテンション上がったり。

現代のヒーロー映画は、超人が悪党を懲らしめる単純な勧善懲悪を描き辛くなった。
格差が生み出す社会構造から生まれるヴィランに対し、ヒーローはどう立ち向かえばいいのか。今後の作風にも期待したい。
雪吹雪

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