hiyori

わたしたちのhiyoriのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
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うう…良かった………………ラストシーンからのエンドロールでじわ…と涙が込み上げてきて、『はちどり』を観たときのことを思い出した。とことん子どもの視点から世界を描くこと、こういう作品の存在、嬉しい。

年齢を重ねていくと、たまに「小学生の時は何も考えずに過ごせて良かった」って話になったりするんだけど、全然そんなことはなくて、その時はその時で色々考えていて、小さな社会があって。

ふたりでいるのが楽しくて、ふたりでいればそれで十分なのに、集団生活になって、ふたり以外の人たちが出てくるとそうはいかなかったり。あのヒリヒリした何か、身に覚えしかなかった。幼さゆえと言えばそうなんだろうし、でも無邪気さゆえとは言いきれないようなずるさもあって。
しかも高校までは、そうじゃないって頭では分かっていても”学校”とか”教室”とかが世界の全部になっちゃうんだよね……わたしはどちらかと言うと中学からそういうヒリヒリが増していった気がするんだけど、それでもすごく分かるし、ボラみたいな子いたな〜………って思い出したり、自分の嫌だった部分もずっと覚えてるからリアルに追体験するようだった。

ソンやジアと、先生や親じゃ、同じ世界でも見えてるものが全然違うんだと思う。子どもにしか見えていない世界のあり方を、こうやって丁寧にリアルに掬い上げるような作品、作り手の大人が子どもと同じ目線まで下がって対等に向き合っているような作品が作られていること、同じことの繰り返しになっちゃうけど嬉しいし特別だなあと思う。
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