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『ナーペト』に投稿された感想・評価

[アルメニア、残された者たちの物語] 70点

ゲンリフ・マリャン(Henrik Malyan)長編六作目。Hrachya Kocharによる同名小説の映画化作品。ある村に世捨て人のような生活をするナハペットという男がいた。彼はかつて大家族の家長であったが、アルメニア人虐殺によって妻や子供を含めた家族全員を失い、絶望の中に生きていたのだ。ふとした瞬間に幸せだった頃の記憶、目の前で家族を殺されたときの記憶が頭を過り、日常のあれこれには全く手を付けられない、そんな永遠の苦しみの中にいた。時代はアルメニア・ソビエト社会主義共和国建国期にあり、彼らアルメニア人は自らの所有する土地を得て、"より強い"国家の庇護も得て、理不尽な虐殺を心配する必要がなくなった(と描かれている、事実は不明)。時を同じくして、生き延びていた妹夫婦から、夫と子供を虐殺で失った未亡人ノウバルを後妻として娶ることを薦められる…云々。フラッシュバックする虐殺の描写の強烈さには度肝を抜かれる。一番強烈なのはノウバルの夫と子供の墓を、一人遺された彼女が見つめるシーンだ。明らかに大きさの違う墓が二つ並んでいて、参列者たちは彼女を置いて先に帰ってしまっていて(遠くの方に見える)、それでも彼女はそこから離れられない。そして、奇しくもアルメニア映画史の代表者として並び称されるFrunze Dovlatyanの代表作である『Hello, It's Me!』と同じく"残された者の物語"である。同作は第二次世界大戦に行って帰ってこなかった恋人を待つ物理学者と父親を待つ少女の物語であり、二人が再会することで時間が動き出す。本作品でも虐殺によって家族を失ったナハペットとノウバルが出会うことでそれぞれの止まった時間が動き出している。また、同作のラストでは裸足で地面を踏みしめるというのが、アルメニアを"取り返す"希望の象徴として描かれていたが、本作品でも土地の開墾を延々と映し出すことでそれらを描いていたように思う。死者を埋めるのも地面、新たな命が生まれるのも地面、というある種の建国神話のようなものにも見える。作中の人物はソ連のおかげで全部解決!みたいなノリで話していて、ナハペットも基本的には賛同しているっぽいので、『Hello, It's Me!』的なテイストではなかった。

生命の象徴としてリンゴが頻繁に登場する。木からリンゴがボトボト落ちて、浜辺を転がって波打ち際を漂い、道のように沖合まで流されていく映像で虐殺とそれに続く出来事を象徴的に描いていた。リンゴがボトボト落ちる瞬間はあまりにもドヴジェンコすぎて経歴を調べてしまったが、監督はエレバン演劇映画大学出身なのでドヴジェンコ(或いはユリア・ソーンツェワ)から直接教えを受けたというわけではなさそう。
『アメリカッチ』を見てレビューを書いたら、お友だちが「ぜひYouTubeで『ナーペト』を見て。りんごのシーン凄いよ」と教えてくださり。

英語字幕ですが台詞はとても少なくて特に問題にはなりません。

オスマントルコによるジェノサイドとそれに続くソ連赤軍に寄って民族壊滅の危機に晒されるアルメニアの過酷を映像化。

史実を主人公男性による家族喪失の悲劇と新たな命誕生の希望によって象徴させるという、よくも悪しくもプロパガンダ色は否めません。

役者さんたちは、後に『惑星ソラリス』で先遣隊で死んじゃう宇宙飛行士役をやってたソス・サルキシャン以外はアマチュアの方も多かったのでは?

何より辛かったのはアフレコのお粗末さ。77年といえば『キャリー』『戦争のはらわた』『日本人のへそ』『サスペリア』『瞳の中の訪問者』『ワニと鸚鵡とオットセイ』などなど、私が映画を見まくってた時代。
その同時代にこれですか…

古木にたわわに実ったリンゴが次々と落果し、転がり落ちて海に浮かび流される映像にアルメニア人一族が記念写真宜しく被さる映像は流石に打たれるものがありました。

完全サイレントなら尚良かったのかも。
2014オーディトリウム渋谷