ロールシャッハ

ゲット・アウトのロールシャッハのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.0
私事から入りますが、しばらく映画から離れており遅ればせながら同監督作品のアス(2019)と一緒に鑑賞致しました。

緊張と緩和を上手く使う作風で、そこはジョーダン・ピール監督のコメディアンとしてのキャリアから形成された資質である事は間違いないと思います。

彼女の家族と使用人が醸し出す不穏な空気。人種差別主義者ではないと言いつつも裕福な白人と黒人の使用人の主従関係による違和感。ホラー映画だという認識だけはあって鑑賞したのも手伝って、クリス(主人公)の身にいつ何が起こるのか!?とヒヤヒヤ緊張させられる演出が良かったです。

自身が異物の存在として感じられる緊張の中での緩和として機能しているのが、彼女のローズと電話越しの親友ロッドです。
特にロッドのあのワード連呼による天丼ギャグは笑えました。が、内容としてはその通りなので笑うに笑えないのはクリスの方。

「あのときのあれがこうなって~」と後から気づく、決して匂わせではない伏線が丁寧なのは多く考察されているアス(2019)とも共通する部分なので、万全の体制で集中してみるか繰り返して観るのがおすすめです。