ちろる

13th 憲法修正第13条のちろるのレビュー・感想・評価

13th 憲法修正第13条(2016年製作の映画)
4.1
白人史上主義の人たちは恐れている。
自分たちの祖先が、このアメリカの土地を原住民から大虐殺の上奪い、自分たちこそが侵略者の血筋である事を知る事を。

白人史上主義の人たちは恐れている。
自分たちの祖先が無理やりアフリカから黒人たちを無理やり船に乗せて、非人道的に奴隷にした事を知る事を。

黒人を自分たち白人と同等に扱うことは保守派の彼らにとって過去の行動の過ちをすべて認めること。
そして自分たちの祖先たちこそが野蛮人である事を認める事になるのだから。

過去に蓋をして、自分たちの愚かさと弱さを隠して、「賢く」「文明人」だあるという思い込みを子供の頃から植え付けられて。
それは各家庭の問題ではない。
それは国家によるプロパガンダ

「自由の国」という言葉の裏に隠されたものは黒人男性が一生のうちに逮捕される可能性は3人に1人という事実。
オバマ大統領は言った。
「アメリカの人口は世界全体の5%にすぎないにも関わらず、アメリカ人受刑者は世界全体の受刑者数の25%を占めている」
と。
これは犯罪を犯している割合ではなく、犯罪をでっちあげられたり軽犯罪がほとんどである。
黒人によるレイプより、白人男性による黒人女性に対するものの方が多い。
奴隷制度が終わったら、黒人大量投獄や隔離制度、警察による蛮行。
アメリカの警察の中に真面目で誠実な公務員であると言い切れる人間はどれくらいいるのだろうか?
「デトロイト」や「フルートベール駅で」で見せられたのは裁判で戦う事すら、無罪である事を話すことすら静止されて殺されたその姿。
彼らの銃はアメリカという国が長年重ねてきた黒人=野蛮な犯罪者というプロパガンダと、その他の無関心によって、引き金を引かれた。

奴隷制度が終わって自由が訪れたわけではなく、刑務所への投獄という形で問題ごと押し込めているだけ。
どれだけ耐えれば、いつまで耐えれば本当の自由が訪れるのだろうか?
というエンディングソングが苦しく胸につきささる。

知ったような気になって、勘違いしていたことや初めて知るが多かった。
ここには多分アメリカに住む黒人でさえも知らないことがある。
世界中の多くの人に観て欲しいドキュメンタリーでした。
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