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『狼に気をつけろ』に投稿された感想・評価

青二歳の感想・評価

2017/02/24 08:22

3.3

ソ連製プロパガンダアニメーションは中々面白いんですが、さすがにこれは悪趣味が過ぎる。要は“スプリガン”のCOSMOSで、ナチスの残党(ネオナチ)が少年兵を育成しているぞ！警戒しろ！という内容。
なぜ1970年に反ナチス反ネオナチのプロパガンダアニメを作る事になったのか。ネオナチの台頭が背景にあったと仮定しても、これはどうなのよ…という作品。
【あらすじ】
ドイツの山奥で保護された狼少年。保護され次第に人間性を取り戻したが、ネオナチが彼に潜在する凶暴性に目をつけた…殺人兵器として少年兵に仕立て上げられる狼少年。
ナチスの思想を叩き込まれた凶暴な彼らは私たちの日常に潜んでいる！ナチスと戦ったことを思い出せ！ソ連国民よ気をつけろ！

いやぁ、ひどい。ここまでネガテイブなプロパガンダアニメーションも珍しいのでは。いえ、ダークホラーとしては悪い訳じゃないんですが、問題は…これがソユーズムリトフィルム製作と言うことです…
日本で言えばNHKの製作スタジオが作ったものみたいな事で。さすがに如何なものかと思います。

KGBのエリート教育なんてもっとエグそうだよなぁとか、カンボジアなんか紛争地域で少年兵を使うのって共産主義陣営に多いじゃん…とか、色々思いますけども、そこは一応置いといて。
まぁソ連のドイツ・ナチス嫌いは凄まじいものがあるらしいので、こうしたネガティヴキャンペーンを作るのも、その所為なんでしょうかねえ…わざわざ1930年代を思い出せ！とばかりに実写フィルムを挿入するあたり。

アニメーションとしては、切り絵やコラージュなどもあり、またモンタージュもソ連らしいのでその辺については良いと思います。だからプロパガンダである事を忘れ、ダークホラー作品だと思えば楽しめます。きっと。
でもなぁ…後半のモンタージュがきっついんだよなぁ…もう本当誰に向けて製作されたものなんだか…どこに需要があるんだか…後半は個人的には〈グロ注意〉です。ご鑑賞の際はお気をつけください。もうソユーズムリトフィルムでやっちゃあかんて。

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カーエルの感想・評価

2017/02/24 23:05

3.5

ソ連のプロパガンダの短編アニメ。
狼に育てられた少年が、一度は人間性を取り戻すけど、その後ナチスに訓練されて、凶暴な兵士になるという内容。

終盤は思いっきりプロパガンダになるけど、それまでは物語として面白く見れた。

映画的な演出もあって、大きな鏡が出てくるシーンが何度かある。
最初、鏡が認識できないオオカミ同然の時期。
次が人間性を取り戻して自分の顔を見るシーン。
次に殺人マシーンになって鏡を割っちゃうシーン。このとき鏡に映った主人公の顔も割れるという…。人間性の崩壊を暗喩してる。

そういう映像テクニックはあるけど、ドイツに気をつけろ！というプロパガンダです。
はい。

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