くま

尼僧の恋/マリアの涙のくまのレビュー・感想・評価

尼僧の恋/マリアの涙(1993年製作の映画)
5.0
【禁断の恋】
-baNNed LOve-


恋は人を変える。人に幸福をもたらす。修道女には破滅を。
神を愛し、仕えるのが修道女。他人への恋心などあってはならないもの。不倫がタブーである様に、修道女の恋愛も同じようでタブーなのである。そのタブーに触れた者がここに1人。
感染症蔓延下のシチリア、修道女見習いのマリアは帰省を余儀なくされる。久しぶりの実家で楽しい日々を過ごす彼女。そこに同じく若き男が現れた。年頃の2人は何の感情も抱かないはずが無く…。
ここにマリアの破滅の道が始まる。

花が”美しく”見える理由は2つある。一つはその花びらが綺麗だから。まあ当たり前ですよね。
そしてもう一つは、花は最後には散ってしまうから。
日本やイタリアには後者の点にも美学を見る考え方が定着しているように思えます。
綺麗なものが堕ちていく。心が悲しく切なく寂しく染まる。しかし、その瞬間さえも綺麗。だからこそ”美しい”。
この作品は、そういった”美しい”ストーリーで彩られたものです。

コレラ蔓延による帰省の令は、ある意味神からの試練だったのかもしれません。規制の無い世界での様々な誘惑、特に神に永遠を誓った修道女へ、恋の誘惑に惑わされないか確かめる為に。

2022's 128th

〜スコアの目安〜
★ - :鑑賞途中
★3.0:面白くない
★3.7:まあまあ面白い
★4.0:面白い
★4.3:めちゃ面白い
★5.0:好き
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