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ネクターの4423のレビュー・感想・評価

ネクター(2014年製作の映画)
5.0
蜜に満たされた部屋で行われる女王蜂と働き蜂の儀式。恍惚の表情を浮かべる女王とせっせと働く働き蜂の対比が面白い。おまけにのっけからエロチックな雰囲気満載。働き蜂の黄色い衣装がとても美しかった。

蜂を擬人化するとこうなるんやで、というこの監督にしては意外にも分かりやすい演出が逆に新鮮かもしれない。

形あるものはいずれ、壊れ、朽ちて、腐っていく。命あるものは遅かれ早かれ必ず死にゆく運命にある。そんな当たり前のことがどうしてこんなにもこの体に、肉に突き刺さるのか。

きっとこの女王蜂は終焉を迎えるだろう。消えゆく命の灯火は虚無感を与えるだけだが、これは日々の生活のなかで当たり前に起きていることを描いただけに過ぎない。

果たして一日にどれだけの物が壊れ、命の灯火が消えていくのだろうか。

命が消えるという儚さを映像を通してでしか痛感できない私は愚かだ。だが、それが愚かな人間の悲しい性なのだろう。

途中、出てきた蜂の巣のような高層マンションが近未来的で強烈だったがこれは実在するのだろうか?
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