安堵霊タラコフスキー

娘よの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

娘よ(2014年製作の映画)
3.4
名誉殺人という馬鹿馬鹿しくも憎らしい悪習に関する話だが、わかってはいたものの野蛮かつ傲慢な人間の業には、何が名誉だてめえらのような他人の人権無視するロリコン変態部族に名誉も糞もねえんだよと呆れと怒りが沸いてたまらなかった

で、そういう感情が起こったという点では監督の意図がしっかり伝わったということなのだけど、如何せん初監督ということもあってか冒頭のような様式美溢れる美しい映像を撮るのか中盤の逃亡劇みたく人間主体の手持ちで撮りたいのか判然としない感があり、欲張った結果どっちつかずになった点に未熟さを覚えてしまった

でも終盤の祭の熱気の感じられる描写といい哀愁漂うラストといい、終わり際にかけて見応えのあるものが多く、哀しい締めに反してこのパキスタンの新人監督の将来には期待が持てるシーンの数々となっていた