飛行機で鑑賞。
物凄く偏ったバランスで出来た作品。敢えて永井が人間に捕まったところから本編を始め、その後もIBMや各登場人物達の説明を最小限に留めて、原作でも特に印象的な見せ場で繋ぐという構成。
正直言って人間パートはよくある悪い邦画の典型例。漫画やアニメだからこそ許されるような臭いセリフを喋り、心情を全て言葉に出す登場人物、極端にデフォルメされた記号的なキャラ造形(特に農家のババア)、何の工夫もないニュース演出とヒカキンの使い方。これらはマジでキツかった。
それでもアクションへのとてつもないこだわりと熱量は認めざるを得ない！映画は何かワンポイントでも秀でたものがあればそれだけで観る価値があるけど本作においてはアクションシーンが正にそれ。元々原作でもアクション描写の熱量が半端ないのでそれを実写で見ることができるのは嬉しい。役者の動きも凄まじい。るろうに剣心で見事なアクションを見せた佐藤健と綾野剛の肉体美！どこまで自分でやってるのか知らないけどアクションがとても様になってる。川栄も頑張ってた。
個人的には敵側の亜人の1人高橋を演じた山田裕貴が良かった。ハイローでも鬼邪高校の村山さんが最高にはまり役だった彼の役へ憑依する力が物凄い。彼含めた3人の亜人が連携プレーを見せてビルの一角を占拠するアクションシーンは本作の中でもかなり見応えあった。
原作では善悪の狭間で揺れ動く田中という個人的にも好きなキャラがただの悪役になっていたのが残念だった。城田優はカッコよかったけど。
映画ならではの見せ場があまり無いなーと思ってたけどラストの佐藤さんvs永井では工夫を感じた。IBM同士の戦いと亜人の戦いを同時並行で描写し、更にその2つを絡めた難しいアクションシーンになってる。IBM同士のアクションはキングスマン並みに外連味に溢れてる。CG技術も高い。
これだけのアクション観れればまあ満足だけど金を払っては観たく無いかも笑
