相棒のアサドが最高、カールの弱さも強さも理解全部まるごと引き受けて優しい。自らの信仰を受け入れない人にも決して強いることもなく相手を尊重することを忘れない。理想的な宗教観のように思う。
主人公のカールがメンタルぼろぼろで弱くて傷つきやすくてヒーロー感が無いのが実にいい。
悪魔に魂を売ってしまったような犯人、狂信的な信者であった母を怖れ憎む、姉を庇って手を下したことで母だけでなく熱心な信者を憎むようになっていく。ここが描かれることで彼の精神が既に壊れていることがこちらにも分かる。ま、やってることや手口は破綻している以外に説明がつかないもの。
ただ散々なことした犯人があっさり殺られちまうのがなんだかなぁな気分になる。子供達の父親がされたことぐらいは仕返してやらねば…。って、実は私が一番野蛮？
