風来坊

特捜部Q Pからのメッセージの風来坊のレビュー・感想・評価

特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)
3.5
PからQ宛のメッセージとな(´・ω・`)?
相変わらず意味深なサブタイトルですなぁ…。毎回暗いだの何だのと言って素直に誉められないですが、実は結構楽しみにしているシリーズ。フォロワーさんも似たような事を仰っていましたが、年に1回はこのコンビを見ないと年を越せない気もしてきましたw

相変わらず冒頭から乾いた哀しみに満ちた感じで始まり引き込まれる。今回は日本でも輸血拒否事件で有名なエホバの証人が絡んできて宗教色が強いかな?ただ配慮したのかエホバの証人の宗教思想とかはあまり掘り下げていません。もっと掘り下げた方がなぜ子供が誘拐されたのに騒がないのかなどの部分が説得力を持つとは思いますけど。宗教は誰も幸せにせんなぁ…が正直な感想。

カールとアサドの関係は今まではあえてドライに描写していた印象ですが、今回は2人の宗教感に迫って描くなど新たな展開。ストーリーは犯人のキャラクターが活きていてその外見とのギャップに残虐性が際立っていると思う。犯人役の俳優さんの微笑み顔は若い頃のティム・ロスに似ているなぁと思った。

このシリーズのあるあるですがカールがエンジンがかかる迄がやきもきします(´・ω・`)
犯罪を憎み追う側にも心に問題を抱えているというのがこのシリーズの面白い所で今作もそれは健在で良かった。デンマークの自然も綺麗でその中で行われる陰惨な話との対比が良い。エグさが前2作に比べると抑え目なのでこの辺は好みが分かれる所でしょうか?

ただ犯人が分かった状態で追いかけるパターンなので、犯人は誰なのかという推理物の楽しみは無いですね。終始に渡って空しさに包まれ後半は張り詰めた緊張感が強いお話しですが、所々にある箸休め的な感じのやりとりは笑える。カールがローセに鉛筆投げられて「ああうぉ」と情けない声を上げちゃうシーンは最高に笑った。その後の課長との白内障がどうとかのやりとりもグッド。

今回も何だかんだで楽しませて貰いました。原作ではあと4作お話しが残ってるそうなので全部映画化して欲しい所ですね。次回作も楽しみです。
風来坊

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