イチロヲ

地下鉄連続レイプ 愛人狩りのイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
視聴率低迷に悩まされている報道番組ディレクター(下元史郎)と女性キャスター(岸加奈子)が、地下鉄レイプ事件の被害者(高橋めぐみ)に接触しようとする。マスメディアによる報道被害を描いている、日活ロマンポルノ。獅子プロダクション製作。地下鉄連続レイプを冠するシリーズの第4弾(最終作)。

視聴者に対して何らかの「刺激」を提供しなければならない、マスメディアの体質に言及している内容。メディアは地下鉄レイプ事件をひたすら焚き付けて、情緒を捨てたロボットのようになりながら、視聴者に刺激剤を投与してくる。

地下鉄レイプのシーンは、実際の車両を利用して計2回登場する。目の前で強姦行為が展開されているにもかかわらず、撮影を優先させるカメラマンの行動が、悪い意味でのカリカチュア化とも捉えられる。

しかしながら、マスコミの暴走ぶりを「脊髄反射的・無意識的なもの」として描いているところに、やるせなさがある。そして、ラストのレイプシーンにおける「手を差し出したら負け」の流れは、今現在の日本を風刺しているようで、胸がざわついてくる。
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