没後30年経てなお預言者のように刺さるボールドウィンの言葉、証左となる過去と現代の映像と語りの熱量と衝撃。
「I AM NOT YOUR ○○○/ 私はあなたの○○○ではない」。
あなたが怒りを表明したい差別があるなら、その構造を明らかにするこの作品の鋭さに射抜かれるはず。
数々の映画作品や事件映像が引用されて、『ブラックパンサー』や『フルートベール駅で』の舞台にもなったオークランドの事件映像も挿入されるので、それらの作品の背景にあるアメリカにおける黒人の歴史を考えるガイドにもなるはず。
また、パンフレットもとても良い。
ボールドウィンやエヴァース、マルコムX、キング牧師の紹介、監督による作品解説、映画をもっと楽しむためのブックガイド、何よりシナリオ採録が入ってるんですよ！素晴らしくないですか？
私、すべてのパンフにシナリオ採録があってほしい。
帰りすがらケンドリック・ラマーのアルバム『To Pimp a Butterfly』聴いちゃうし、一曲目で『ムーンライト』思い出すから、ジェンキンス監督次回作ボールドウィン原作の『ビール・ストリートに口あらば』が楽しみになった(こわくもある)。
