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散歩する侵略者のペインのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
3.5
“まさみの溢れ出るエロス”

“世界のクロサワ”または“クロキヨ”でお馴染み黒沢清先生の新作。

現行、日本で最も世界的に評価されている監督の一人なわけで当然観る前のハードルは上がりに上がりまくってるわけですが結果、本作は面白かったです。

いつもの黒沢清作品よりかはわかりやすく、作品のメッセージもドストレート!やっぱり人類は“愛”だよねっていう話ですよ。

とはいえ“黒沢清作品”であることには変わりないのでやっぱり他のメジャー監督の作品に比べると圧倒的に“ヘン”な映画です(笑)黒沢清ほど観客にリテラシーを要求するメジャー作家は珍しくて、やっぱり本作も何も知らずに観たら“何じゃこれ~”って感じになると思います(笑)

本作はザックリいうとクロキヨ版『ゼイリブ』×『マーズアタック!』×『ボディスナッチャー』といった感じ。いわゆる宇宙人の侵略モノ。それでいて明らかにクスッと笑ってしまうユーモアと突っ込み所が満載。それに黒沢清お得意のホラー演出も冴え渡っていて、特にオープニングの残虐シーンからのカークラッシュシーンは異様でこれから何が起こるかわからない不安感を煽る凄まじいシーン!

俳優陣の演技も皆、申し分なく特に長谷川博己の芸達者ぶりは凄くて“ゾンビウォーク”が素晴らしかったです(笑)←観ればわかる。あと長澤まさみと前田敦子が姉妹って贅沢ですね。特に前田敦子の豹変する演技は鳥肌が立ちました。

そしてそして何といっても主演、長澤まさみですよ。内面から溢れ出る隠しきれないエロス。もうたまりません(笑)実は私は“まさみスト”です。

てなわけである程度はヘンな映画だと思って観れば誰でも楽しめるエンタメ活劇なのでオススメ。黒沢清作品の入門編としても良いかも。
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